請願第5号 建設業従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を図るよう国に働きかける意見書の提出に関する請願
受理日:平成28年11月18日
付託委員会:文教・建設
付託日:平成28年11月30日
議決日:平成29年2月5日
議決結果:審議未了
本田哲
【請願項目】
アスベスト(石綿)問題の早期の解決を図るよう、国に働きかける意見書の提出を請願します。
【請願趣旨】
アスベストを大量に使用したことによるアスベスト被害は多くの労働者、国民に広がっています。現在でも、建物の改修、解体に伴うアスベストの飛散は起こり、労働者や住民に被害が広がる現在進行形の公害です。東日本大震災で発生した大量の瓦れき処理についても被害の拡大が心配されています。
欧米諸国では製造業の従事者に多くの被害者が出ているのに比べ、日本では、建設業就業者に最大の被害者が生まれていることが特徴です。それはアスベストのほとんどが建設資材など建設現場で使用され、そして国が、建築基準法などで不燃化、耐火工法として、アスベストの使用を進めたことに大きな原因があります。
特に、建設業は重層下請構造や多くの現場に従事することから、労災に認定されることにも多くの困難が伴い、多くの製造業で支給されている企業独自の上乗せ補償もありません。国は石綿健康被害救済法を成立させましたが、極めて不十分なもので、成立後一貫して抜本改正が求められています。
現在、建設業に従事していたアスベスト被害者たちが、全国5つの地裁(大阪、京都、札幌、東京、横浜)と3つの高裁(福岡、東京第5民事部、東京第10民事部)に国とアスベスト建材製造企業に補償とアスベスト対策の抜本改正を求めて裁判を起こしています。
司法の場での結論を問わず、被害者の苦しみは変わりません。貴議会に、建設アスベスト被害者と遺族が生活できる救済の実施とアスベスト被害の拡大を根絶する対策を直ちにとり、アスベスト問題の早期の解決を図るよう、国に働きかける意見書の提出を請願します。