請願第2号 若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める請願
受理日:平成28年2月18日
付託委員会:健康福祉
付託日:平成28年3月4日
議決日:平成28年12月15日
議決結果:不採択(賛成少数)
本田哲
【請願趣旨】
厚生労働省は、一昨年の全国消費者物価2.7%、賃金2.3%上昇を受けて昨年4月より年金を0.9%増額改定しました。これは、本来なら物価上昇にリンクして2.7%増額すべきところを2004年の「年金法」の改定を受け、より低い賃金上昇率2.3%から年金の「特例水準」解消のためとする0.5%を減じた上に、「マクロ経済スライド」の初の適用でさらに0.9%を減額し、結果として0.9%増額改定にとどめたことによるものです。
その上、政府・厚労省は「少子化」と「平均余命」の延びを理由に「マクロ経済スライド」を使って、この先30年間も年金を下げ続けることを見込んでおり、この仕組みをデフレ経済下でも適用できるようにする法改定も狙っています。
年金の実質的な低下は、消費税増税、物価上昇、住民税、医療・介護保険料の負担増のもとで高齢者・年金生活者にとってはダブルパンチとなり、生きる糧としての食生活さえ切り詰めざるを得ない深刻な状態をもたらし、憲法で保障された生存権を脅かしております。年金の削減は高齢者だけの問題ではなく、低賃金の非正規雇用で働く若者や女性が2,000万人にも増大し、年収200万円以下のワーキングプアが1,100万人を超える異常な状態となる中、「将来の年金生活者」にとっても大変深刻な問題です。
今、若者に必要なことは、非正規雇用から正規雇用への切りかえ、最低賃金の大幅引き上げであり、現在と将来の生活に明るい見通しを示し、非婚・晩婚・少子化に歯どめをかけることです。
年金は、そのほとんどが消費に回ります。年金の引き下げは、地域経済と地方財政に与える影響は大きく、自冶体の行政サービスにも直結する問題となっています。年金がふえれば地域の消費もふえ、地方税収が増加し高齢者の医療や介護の負担も低減できる好循環になります。
私たち年金者組合は、高齢者が地域で安心・安全・健康で長生きできること、地域のつながりとまちづくりに貢献できることを願っています。
ついては、年金問題にかかわる私たちの切実な要求である下記事項について、意見書を採択し、地方自冶法99条に基づいて、国会または政府関係省庁に送付されるよう請願します。
【請願項目】
1.年金の隔月支給を国際水準並みに毎月支給に改めること。
2.年金を毎年下げ続ける「マクロ経済スライド」を廃止すること。
3.全額国庫負担の「最低保障年金制度」を早期に実現すること。
4.年金支給開始年齢はこれ以上に引き上げないこと。